父親殺し:53歳長男を殺人容疑で逮捕 宇都宮東署 2000.09.26

 26日午後2時25分ごろ、宇都宮市竹下町の造園業、N・Yさん(50)の妻(51)から「義兄が義父にけがをさせた」と110番があった。宇都宮東署員が駆け付け ると、N・Yさんの父親で同居している無職、忠一さん(78)が、敷地内のプレハブ小屋で、わき腹を包丁のようなもので刺されて倒れており、病院に運ばれたが出血多量で死亡した。

 同署は、現場から逃走した忠一さんの長男の栃木県小川町片平、会社員、吉田要(かなめ)容疑者(53)を同8時55分、同市内のパチンコ店で殺人容疑で逮捕した。 同容疑者は容疑を認めているという。

 調べでは、忠一さんは要容疑者と同居していたが言い争いが絶えず、今年4月に妻(78)とともに二男のN・Yさん方に身を寄せていた。

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宇都宮市内で昨年9月、「人生がうまくいかないのは名前のせいだ」と命名した父親(当時78)を刺殺した事件で、殺人などの罪に問われた栃木県小川町片平、かわら職人吉田要被告(54)に対し、宇都宮地裁は12日、懲役14年(求刑懲役15年)の判決を言い渡した。肥留間健一裁判長は「逆恨みし、父親の命を奪うなど、被告の犯した罪は極めて残忍」と述べた。

 吉田被告は子どものころから父親の命名した「鼎(かなえ)」という名前に「字が難しく女性みたいだ」などと不満を持ち、約20年前に改名していた。その後、吉田被告はパチンコなどにのめり込み、借金に追われる生活となったが、「父親の命名のせいだ」と恨み、殺害を計画。昨年九月二十六日午後、宇都宮市竹下町の弟宅の離れで、包丁で忠一さんの腹などを刺して失血死させた。