備長炭パワーをはかる 1999/2/17  なんでも実験室へ戻る


備長炭である。紀州特産ウバメガシを炭にしたもので、手に入りやすい多孔質良導体として実験電池の電極餌食にされたりと忙しい日々を送っている。
オーソドックスなものでは米に入れて一緒に炊くってのもある。
水中の有害物質が吸着され、ご飯が美味しくなるらしい。



先日、ディスカウント屋で安く売っていたので購入した。
原子吸光計でもあればカドミウムと鉛でも放り込んで吸着具合を見たいところだが。
まあどこにでもあるもので出来るだけ実験してみよう。




水道水400mlを2つとり、片方に備長炭を放り込み一昼夜おいておいた。

先ずはイオンの増減を調べる。
1cm2の銅板2枚が1cm離れている、こんな極板を浸して電気抵抗を調べた。(左:備長炭)

  

ただの(一昼夜置いた)水道水は12.6kΩだが備長炭のほうは24.1kΩ。
イオン濃度はかなり減っている。

次にPHを測定。左が備長炭。

  

備長炭水の方が8.7と、アルカリに寄っている。
どうしてだろうね? まあ何となく体に良さそうでいい感じだ。
無知なヒトにこの結果を見せて「備長炭入れた水を飲めば、体が酸性になるのを押さえる」 などと商売になるかもしれない。

最後に簡易的に塩素イオン濃度を調べる。
それぞれ試験管に取り、0.01Mの硝酸銀を1ml入れてみる。



向かって左が備長炭水である。
明らかに塩素イオン濃度は減少しているのがわかる。半分以下にはなっているだろう。

〜さいごに〜

何となくであるが、有害物質や重金属イオンを選択的に吸着しているような気がする。
少なくとも水が「不味くは」ならないだろうね。