-*-*-*- 初櫻酒造 利き酒会 如月十七日 -*-*-*-


水温む 小田井用水 春遠からじ

奈良に向かう国道24号を紀ノ川のほうに折れ  旧街道をつらつら上ると
いつの間にか小田井用水が寄ってきて情緒たっぷりに流れている

その昔 このあたりは高野へ日用品を運ぶ人馬が休んだところでもあり
私んところの味醂や般若湯も瓶に移し  振り分け荷物にして馬に乗せたもんだ
  と造り酒屋の主は話を続けた

あんたが腰掛けているその柱はウマツナギといってなぁ
荷物の準備が出来る間そいつに手綱を渡して人間様はこっちで一服さ

このあたりは古くから川上酒と呼ばれる銘酒の郷なのです
見れば軒先に吊られた杉玉もここがその造り酒屋であることを教えてくれている

今日も朝から新酒の香りに誘われて遙々和歌山の西の端から東の端まで
やって来た甲斐があるというものです

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