2011年1月〜3月の落書き くりこまあいらんど

3月31日

また固い話で失礼。

先日の「和歌山と原発」の文章の最後のほうに,
>思うに温暖な気候のなかでの県民性というか,あぶく銭や豪華施設よりも自然を大事にしたいという地元のヒトの意向が強かったんだろうな。

と書いたが,これはあまり適当でないとのご指摘を受けた。
実際はこんなのんびりした雰囲気ではなく,3カ所とも誘致賛成派と反対派が激しく対立し,ぎりぎりのところで反対の声が上回ったようだ。
なにしろ電源三法の交付金はでかすぎる。この金は用途が公共施設建設や土木事業に用途が限られており,利権は莫大。
原発を誘致した町はこんなに発展しているというPR目的があるわけだ。

日高町の原発はほんとうに危なかった。これは1986年のチェルノブイリ事故が影響したようで,88年に比井崎漁協組合が「原発の事前調査受け入れ」案を廃案にしたことですう勢が決まった。

この総会は混乱し,組合長が一方的に廃案の意思表示をして流会となり,組合長以下の理事全員が総辞職した。


その後の日高町は「クエの町」ということで地道に発展し,和歌山の市町村としては珍しく人口が増加している。
(1990 6,862人  2000 7,148人  2010 7,433人)

紀伊半島に原発を作らせないため,文字通り命をかけて反対した方々,どうもありがとうございます。


3月26日

うーん 原発が日本に必要であると仮定すると,大津波さえなければ東京に比較的近く,偏西風のせいで他に被害の及ぼしにくい福島という立地は悪くなかったかもしれない。
西日本の原発が同じような事故を起こすと日本列島黒い雨の放射能だらけになってしまう。台風でもきたら大変だ。
原発からわずか3kmの双葉高校はどうするんだろう。生徒の皆さんめげずに勉強がんばってほしいと心から願います。


和歌山と原子力発電所(加筆修正)

さて和歌山県はわりと京阪神に近く,和歌山市および紀の川筋に100万人のうち70万人が住んでいる。
県南部は人口密度が低く,また外海に面しており原子力発電所を建てるのにはうってつけである。
実際に過去3回ほど建設計画が持ち上がり,そのたびに白紙に戻されてきた。

まず1回目は昭和40年ごろからの話で,那智勝浦町の浦神半島から旧古座町の荒船海岸にかけてが建設候補地になった。
反対住民の声が上回り、結局、両町議会は「誘致反対」を決議したとのことだ。
衆議院の議事録にも,地元選出左派社会党の地元国会議員の激しい反対質問が残っている。

2回目は日置川町,今は白浜町の一部になってしまったところである。
場所はく市江崎ダイアピルのもう少し南である。
この経緯はWikipediaにあったのでまとめると,
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関西電力は1976年に、日置川町内に原発建設を前提とした用地購入を行なった。誘致賛成派と誘致反対派とに分かれ、町民同士が対立。反原発派の美倉重夫は1976年の町長選で選挙事務長を務め反対派町長の当選に貢献したが、その後その町長は推進派に鞍替えしたため、1988年の選挙では美倉自身が町長選に立候補し当選した。
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というなんとも激しい流れの中で計画は終わってしまった。

さて,最後は1980年代,日高町の小浦っていうところに計画が持ち上がった。だんだんと北上して大阪に近づいている。ここは僕の実家から40kmしか離れてないのでちょっと困ったもんだと思っていた。
しかしこれも地元漁協が札束攻撃にめげず反対を決議し,事実上建設は不可能になった。

というわけで紀伊半島には採算度外視の立派な施設などはなく,金がないといいながらも漁業や観光でなんとか喰っていってるわけである。
思うに温暖な気候のなかでの県民性というか,あぶく銭や豪華施設よりも自然を大事にしたいという地元のヒトの意向が強かったんだろうな。

でもちょっと前までは和歌山に原発誘致をけしかける地元国会議員がいたみたいだけど,もう無理だろうな。
放射能漏れ事故を起こすと県内の一次産業や観光産業が完全に崩壊してしまう。


3月25日

放射能を持った物質に対する防御

さて,ちまたでは「放射能」っていう言葉がNGワードになっている今日この頃である。
でもIEを「エクスプローラー」とか,HDDを「ハード」なんていわれるたびに脳みそが沸騰しそうになるのを抑えているうちにどうでもよくなってきた。甲状腺ガンや白血病になるのはやっぱり放射能がわるさをするんだろう。

というわけで飛び込んでくる放射能を除去しなければこの先40年無事に生きるのは難しい。
この文章を打ち込んでいる部屋は,セシウムヨウ素をすぐに除去する体制が整っている。


まず,2台のフィルター型空気清浄機で放射能を除去する。同じもの二つなのでリモコン一操作で制御することが出来,また風量弱でもそれなりに吸い込むので騒音を抑えることが出来る。


これで取り切れなかった放射能はイオン化させて紙に吸着させる。
このクリアベールのいいところは,紙を一ヶ月に一度程度取り替えるのだが,書道の半紙を適当な大きさに切ったモノで十分なのでランニングコストがほとんどかからないというところだ。
数年に一度,イオン化線が切れるのでこれは千数百円で買わなきゃいけない。銅線だと緑青が発生してよろしくない(実証済み)

これで放射能を持った微粒子は完全に取り込まれ,クリーンな室内環境となるはず。で,煙草を吸って今日も安心だ・・。


3月23日

KEKでの線量は高いところで推移しているようだ。

こちらでも,単一電池やカップラーメンが店頭から姿を消している。

東京電力お気の毒さま。
大津波の予測に対しては甘いところがあったけど,それは東京電力だけじゃない。
数多くの小さな自治体,数万人の亡くなった方も同じことで,本当に想定外だった。
この前の柏崎刈羽原発と同じく,巨大地震そのものには原子炉自体はなんとか耐えたのに残念だった。

この福島第一原発は,地元の誘致によって建てられたようだ。大熊町はともかくとして双葉町は再生できるのかな。
7,8号機の増設どころが5,6号機の廃炉も確定的な今日この頃,使われなくなった施設と下水道がむなしくのこり,誰ひとりいない町になるのか。
東邦銀行や農協などの債権者は双葉町から回収できるんだろうか。「暗黙の政府保証」ってやつはこの非常時にも機能するかどうか今後に注目したいとおもう。消費税上げれば大丈夫かな。


3月15日

修論もあらかた終わり,無事に博士後期課程の入学資格が得られそうな今日この頃。

さて先日,
>三角形の内角の和が180度になることぐらい,さらっと図説できるぐらいに教材研究してほしい。
などと書いたが,じゃあお前は余弦定理を導き出せるのかといわれると小さくなってしまう。
そんなときは,今の時期限定でココを見るのがいいかもしれない。

24時間換気システムの取り付け義務化っていうのが2003年から始まった。
「化学物質過敏症」なる人々のために付けられたモンだけど,そうじゃない人にとっては迷惑この上ない。
せっかく花粉症の季節に空気清浄機を回していても,換気扇から容赦なく花粉を含んだ外気が吹き出してきている。
ちょっと休憩するための,薬品を無造作に置いている部屋は換気口をガムテープで厳重に封印してある。
先日なにやら消防署の方から調査が来て,法律違反じゃないけど好ましくないかもうんぬんといわれた。
でもこれは施工業者の義務で,ユーザーがどうしようかは勝手なので別にいいだろう。
それにこのご時世,放射能をもった微粒子が飛び込んでくることも考えられる。本当に百害あって一利無しだ。

松沢成文とそのまんまだが,石原知事続投ということで自らの立場が微妙になったが,どうやら地震のどさくさで出馬を取りやめたらしい。
小向ミナコや八百長力士,歌舞伎のヒトや携帯早撃ち19歳などもマスコミから逃れることが出来たようだ。


3月14日

3月11日,午後から珍しく仕事をしていた。
5時頃ボスが来て「早く帰れ」とのことで切り上げるが,帰り道は渋滞していた。
スポーツクラブに寄って帰ろうかとおもったけど,まっすぐ帰ることにする。

こちら和歌山ではガソリンスタンドもスーパーもいつも通りだ。
しかしたぶんフィリピン海プレートも2,3年以内に動き,南海地震がやってくる。
住んでいるところは津波は絶対に来ないけど,海に近いところは避難態勢なんかを根本的に見直さないといけないだろうな。
放射能には困ったもんだ。ここは廃炉になるのか。

ところでW県の空中放射線を測定した。まず空気清浄機で小一時間外気を吸引するのだが,動物がいたので網戸越しになってしまった。その後フィルターからの放射線を,各家庭にある簡易GM計数管「はかるくん」で測定したが特に問題なし。





2月15日

バレンタインデーの月曜日,腰痛で歩けないため仕事に行けなかった。今日火曜日もまだ無理っぽい。
腰痛にはいろいろタイプがあるけど,どうやら筋肉痛らしい。
病院へ行くのも苦痛なので,バンテリンを塗ってごろ寝している。
数年に一度,ひどい腰痛で休むことがある。人生80年とすると,もう余裕で後半戦だし無理はしないでおこう。

ところで太陽活動は,長期的に見るとどんどん勢いを増しているようで,あと5億年ほどで地球は高等生命が暮らすには適さない星になるという説もある。
でも人類の文明がこのまま続けば10万年後には銀河系を自由往来するらしいからどうでもいい。


2月12日

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島根県出雲市立塩冶(えんや)小の男性教諭(58)が、給食を時間内に食べられなかった
1年生児童たちに対し、おかずなどを食器から布製ランチョンマットに載せ替えさせて
食べさせていたことがわかった。
男性教諭は「給食時間を過ぎて食器を返さなければならなかったが、完食させたかった。
子どもの気持ちを考えない安易な指導で、後悔している」とし、校長と一緒に児童らに謝罪した。

2011年2月11日09時40分 読売新聞
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21世紀になってもこんなことが行われているとは,さすがに神が宿るクニの教育はなかなか趣がある。
給食なんて食べたくなかったら残したらいい。でも自校給食で残飯が多いと,担任教師が調理員からイヤミを言われることもあるらしいので微妙なところだ。
好き嫌いなく食べましょうっていう「給食指導」が成果を上げて,大人になっても役に立ったということは聞いたことがない。
数十年やっても結果が見えてこないという点では「性教育」とどっこいどっこいだな。

だいたい,こんなことやってる暇があったら,もっと他にやることあるだろう。
三角形の内角の和が180度になることぐらい,さらっと図説できるぐらいに教材研究してほしい。

中学生の職業体験っていうのっも馬鹿らしくて話にならない。そんな暇あったら教科の勉強をしたほうがいいんだけどな。
それと中学校の給食っていうのもなんとかならないものか。中学生になって給食当番なんてものをするのか。
まあカフェテリアとチケット形式なら許せるかもしれない。まあ弁当のほうがいい。

ところで小向美奈子の件で注目されている言葉が「弁当切り」。
彼女は2009年2月に「懲役1年6ヶ月・執行猶予3年」の判決を受けて確定している。
この懲役が,今度予想される実刑に加算されないためにはあと1年,2012年2月まで逃げなきゃならない気がするがそうではない。
執行猶予の取り消しは新しい事件の控訴審判決確定後にしか行われないので,あと3ヶ月ほど逃げ切って捕まり,私選弁護士を付けて地裁の判決を引き延ばしちゃえば余裕でクリアできるだろう。このような行為を「弁当切り」というらしい。
執行猶予中のことを「弁当持ち」というのは聞いたことあるけど,弁当切りっていうのは初めてだった。


2月8日

なんだかんだしているうちに2月になってしまった。
こちら和歌山にも,新燃岳からの火山灰がやってきてクルマが汚くなっている。迷惑な話だ。

この前の日曜日,正月太りを解消すべく近くの山をうろうろと歩くことにした。
標高300m地点までクルマで行き,目的地は「雌桂・雄桂」。なんとかたどり着きいちおう写真に撮ってきた。
こちらのFLASHであるが,手持ちコンデジ28mmレンズの5枚合成です。2009年の台風で幹が折れてしまっているが,樹自身からみればこれぐらいのことは想定内のようだ。

どうでもいいが論文らしきモノを書いている。
枚数を増やすためにパノラマ写真の歴史を検索しているとhiraxさんところにたどり着いた。
80km/hで走行中,窓から手を出してもみもみって懐かしすぎるじゃありませんか。


1月2日

2011年になってしまった。
和歌山も山地では雪が積もっていた。いつもは閑散としている丹生都比売神社も、この時期は賑やかだった。


年末にまた「ノルウェイの森」を観にいってきた。余っていた500円チケットは同居人が「マザーウォーター」という小林聡美の映画を観るのに使われてしまい、しかたなく学割+オーカード割引を使い1300円を払って入場した。
前回よりも客が多い。といっても前は10人ぐらいで、今回は20人ぐらいかな。母と子供は子供向け映画で、父親がノルウェイってパターンの家族もあった。
ストーリーがわかっているので安心してみることができた。直子の自殺シーンとかショッキングな場面はあらかじめ身構えることができる。 バーテンダーの村上春樹も確認してきた。トムコリンズだったかな、ちゃんとカクテルを作っていた。

あの小説がほぼ原作通り映画化され、それを無事観ることがで来ただけでもこの年まで生きていて良かった気がする。 あとは「国境の南、太陽の西」が映画になったらいいんだけどな。表情のない顔のイズミは、想像しただけでちょっと寒気がするので端折ってもかまわない。

ところで、この映画の場面はところどころ地学教育に使えるんじゃないかとおもう。
ロケ地の砥峰高原は氷河地形だし、直子が死んだあと主人公が野宿している洞穴は、凝灰岩がおそらく縄文海進の頃浸食をうけたところだろうな。